特産果実 おいしい加工品に 梨「甘ひびき」アイスに
2021/11/30
安城市東栄町のJAあいち中央ファーマーズマーケットでんまぁと安城北部で、産直会員である甘水園の猪飼幸宏さんが安城梨「甘ひびき」を使ったアイスの販売を始めました。「甘水園の梨シャーベット」と「甘水園の梨ジェラート」の2種類で、人気の「甘ひびき」を旬の時期以外でも楽しめるとPRしています。
きっかけは、「甘ひびき」を使って何か作りたいと思っていた猪飼さんが、2020年9月に知り合いの梨農家がアイスを作っていると知ったことです。加工業者を紹介してもらったが「甘ひびき」のシーズン終了後であったため、安城梨「新高」で梨のアイスを作り試験販売。今年、アイス用に「甘ひびき」を140キログラム用意しました。
使用する「甘ひびき」は、収穫時にキズがあったり熟しすぎたりしたものを皮をむいて果肉を確認後、冷凍保存。和梨は水分が多いため加工が難しいといわれているが、アイスはその水分の多さを活かしました。「甘ひびき」の量と食感にこだわり、果肉やペーストも入れています。さらに「まず目で見ておいしそうと思えないといけない」と火入れを工夫してもらい、変色を防ぎました。使用する梨を「新高」から「甘ひびき」にしたことで品種ごとの甘さの質などの違いによる風味に変化があったため、梨の配合割合を変えるなどして作り直しました。
「甘ひびき」は収穫適期の判断が非常に難しく、過熟やキズのある「甘ひびき」は状態を説明したうえで低価格で販売していましたが、せっかくの『甘ひびき』を安心して美味しく食べてほしいと思っていた猪飼さんは、「中身を確認して良い部分のみを使うので、安心して提供できる」と話しました。さらに「今後も『甘ひびき』の加工品を増やしたいと考えている。『甘ひびき』がたっぷり入った梨のアイスをぜひ味わってほしい」と自信を持って話しました。
同店の那須益美マネージャーは「旬の農産物も良いが、生産者も食品ロスを少しでも減らしたいと考えている。産直出荷者の6次産業化を応援という形で店舗の売り場を展開することも産直の務めだと思っている」と話しました。
「甘ひびき」は、猪飼さんの父、孝志さんが育成した梨で、大玉で甘みの強さとしゃきしゃきとした食感、果汁の多さが特徴。販売日は、JA産直店舗で早朝から行列ができ、早々に完売する人気の品種です。アイスは1個80ml入り360円で、贈答用の8カップ入り1箱は2980円。22年夏までは同店舗のみで販売し、数量限定のため無くなり次第終了します。
甘ひびきを使ったアイスをPRする
猪飼幸宏さん(左)ら