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田んぼダムってすごい 給食通じ役割り理解

2024/11/19

  • 神谷さん(左奥)と水田貯留について話し合いながら給食を食べる生徒

安城市教育委員会は「愛知と安城を味わう学校給食の日」である11月19日に、同市小川町の安城市立桜井中学校の学校給食で、同市内の水田貯留の田んぼで作った米を提供しました。生徒に地元産の農産物を味わって地産地消への意識を高めてもらうとともに、同市で積極的に取り組んでいる水田貯留について理解を深めてもらおうと、同委員会と同市で水稲農業を営む生産者が企画。同市やJAあいち中央の協力で実現した初めての取り組みです。

水田貯留とは、大雨や台風の時に通常の田んぼの水量よりも5センチほど多く雨水を貯めることで、排水路の下流への雨水の流入量を減らし、町を洪水や浸水から守る取り組みです。同市のハザードマップなどをもとに、水害防止に有効な田んぼを選定して取り組まれています。

生徒に地域農業を身近に感じてもらうため、同市職員やJA職員、生産者あわせて9人が、同校一年生とお米の栽培や水田貯留について話し合いながら給食を食べました。給食中の放送では、放送委員会の生徒が各クラスのモニターに水田貯留に関する資料を映し、水田貯留で町を守る仕組みを説明しました。生徒は「お米の味はいつもと変わらずおいしい。みんなが安全に暮らすために田んぼに工夫がされていることを知ることができた」と生産者に伝えました。

米を提供した同市新田町で水稲農業を営む神谷敏さんは「安城市から大雨による浸水などが減ったという報告を受け、水田貯留の効果を実感している。近年、農地が減少しているため、農地の大切さを伝え、より多くの人に農地を残そうと思ってもらえるよう頑張りたい」と話しました。

JA営農企画部営農企画課の中村政則さんは「農地を守る大切さを理解してもらえたと思う。農地を守っていくために、地産地消のメリットや田んぼの減災機能などを周囲の人に伝え、地域農業を応援してくれる仲間を増やしてほしい」と話しました。

「愛知と安城を味わう学校給食の日」は、学校給食の食材に地場産物を使うことで地域の食べ物を知り、より豊かな食生活を送ったり、生産者への感謝の気持ちを育んだりすることを目的として設定されています。